競売雑感あれこれ |
●競売不動産を落札するのって本当に楽しいものです。
入札するとドキドキ、ワクワク。
開札の時は試験の発表を見に行く様な浮かれた気持ちになるのは私だけではない様です。 |
●入札すると「取らぬ狸の皮算用」ではないですけど、この物件を・・
「この価格で落札できると――円儲かる」
などと計算してしまいます。
最低売却価格に少し上積みして入札した時でも・・
「この物件はたまたま入札者がほかに誰もいなくて自分が落札できるんじゃないか」
と思ってしまいます。でも現実はそんなに甘くないんですよね。
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●最近の落札価格ははっきり言って異常です。
私が落札して2,000万円で売却しようと思っている物件を、平気で2200~2300万円で落札していく人がいます。こういう人は必ずしも個人で、自分の所有物件が欲しくて入札しているわけではなく、ほとんどが転売目的の業者さんです。
一体いくらで売り出すつもりなのでしょうか・・・。
もう1年位前の事ですが、「私なら1,600万円位で転売する物件だな」と思った物件を、他の業者さんが1,650万円位で落札していました。この業者さんはリフォーム後、2,180万円で売り出していましたが、なかなか売れず、徐々に値を下げて今は1,800万円代で売 り出しています。
これではこの業者さん儲けは無いですよね。ちなみにこの業者さんが持っている物件は、かなり売れ残っているようです。 |
●裁判所の物件閲覧室にいる人達は、本当にさまざまです。皆さん宝探しをしている様に楽しそうにしていますが、何がそんなに楽しいのでしょう? |
●先日、裁判所でタバコを吸いながら近くにいる人と雑談しました。その人いわく「私は今、失業中で、競売物件の転売をやっているんです。競売の転売と職探しの2足のわらじです」と言ってました。初めの2~3件はうまくいった様ですが、最近はなかなか落札できないので生活が楽じゃない、と嘆いていました。最近こういう人を多く見かける様になりました。他人の事は余り言えませんが、(競売にかかってしまった)人の不幸を飯の種にしないでほしいですよね。 |
●私の友人で毎週2~3件入札している人がいます。この人は競売不動産のセミプロですが、元々お寿司屋さんを経営していた人です。お寿司屋さんもなかなか大変で、回転寿司が多くなって経営が思わしくなくなり、腰を痛めた事もあって店を売却して、競売物件の転売を本業とするようになりました。最近、競売不動産て本当に身近になったものだな、と思います。 |
●知人のFさんは以前、千葉市内のをボロアパート2,400万円で落札しました。次順位とは500万円も差の付いた、ブッチギリのトップでの落札でした。昭和50年代の古い木造アパートで、外観はモルタルのヒビ割れがひどく、鉄製の階段は錆でボロボロ。
内装はお世辞にも綺麗とはいえない物件でした。2DK8室で落札時の入居者は3室だけ。Fさん自身が落札後、室内のペンキを塗り、トイレのクリーニングなど自分でリフォームし、手に負えない部分だけを業者に依頼し、リフォームを完成させました。
税金、その他の費用を含めて総額3,000万円弱かかったそうです。
しかし入居の募集を開始したのが3月であった事も有り、1週間で全室入居者が決まったそうです。毎月の家賃収入は38万円位らしく、「こんなボロボロアパートなんで落札するの?」と思いましたが、年間の利回りは悪くないです。
こんな旨いやり方する人いるんですね。
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●知人のDさんは競売物件の入札を繰り返して、既に50連敗以上しているそうです。何を思ったのか、最低落札価格120万円位の古いテラスハウス1室の物件を、126万円で入札しました。しかもこの物件、持分2/3のみの売却で残り1/3の持分は先住者の母親が所有している物件です。落札したら母親の持分を安く買い取って、持分100%を所有し、賃貸に出して家賃6万円で貸し出すつもりだった様です。
開札結果は入札者1名で見事落札です。
落札後、立退きと持分1/3の買取の交渉をした所、先住者は「立退きには絶対に応じない。母親の持分1/3は絶対に売らない」と交渉は難行し、逆に先住者からDさんの落札した持分2/3を買戻したいと言われ、仕方なく170万円で売却したそうです。結局Dさんの儲けは30万円位だったそうですが、Dさん良かったですね。苦労したかいが有りました。 |