【重要なのはタイミング】
住宅を買い替えようと思い立つと、まず問題となるのが売却と購入のタイミングです。買ったものの今住んでいる住宅の売りが遅れると予定していた売り代金を購入資金に回せないので、資金計画に狂いが生じてしまいます。
また、住んでいる住宅を売ったものの買いが遅れると、住む住宅がなくなって一時的に賃貸住宅に仮入居する羽目になり、余計な出費を強いられる事もあるでしょう。
したがって、肝心な事は売却と購入のタイミングを合わせる事ですが、合わせるのは『契約日』ではなく『決済日』です。『決済日』に売却代金が入り、購入代金を払う訳ですから、『決済日』のタイミングを合わせる事が重要となります。
売却決済日と購入決済日を合わせる事ができれば理想的です。
しかし実際には色々と事情があって、売りが先になる場合や買いが先になる場合が出てきますが、現時点の不動産市場では買いを先にする場合には、売りを先にする場合よりも多々リスクがあります。今しばらくは、売却を先にされる方が無難でしょう。
というのも、現時点の市場動向を見ますと、住宅価格の長期下落が未だ止まらず、今住んでいる住宅の売り価格をどうしても高く設定しがちとなり、なかなか思った価格で売れないのが現状です。
売れないので価格を下げる事になりますが、下げた価格より既に市場の価格下落の方が大きく、売れないのでまた下げるといった売り遅れが長引く事態となり、売り計画が狂いやすいのが今の市場です。
したがって、こういう市場にある現時点では、買いを先にすると売り資金を買いに回せない危険が大きいのです。売り資金が間に合わないと、つなぎ融資が必要だったり、売りを焦る結果、大幅な安売りを招く事となります。また、今住んでいる住宅のローンの払いが終わっていなければ、このローンとともに買った方のローンも支払う事となり、資金計画を再検討せざるを得なくなります。
【リスクを避けるための<買い替え特約>】
買いを先行する場合のこれらのリスクを避けるために、売買契約書に『買い替え特約』を儲けるのが一般的です。『買い替え特約』とは、例えば特約条件付では「今住んでる住宅が○年○月○日までに、○○○円以上で売却できない場合、またその売却代金を受領できない場合には、この購入契約を白紙解約する」旨を内容とする『特約』です。
【リスクを避けるための<停止条件>】
『停止条件』を付けるならば、「今住んでいる住宅が○年○月○日までに、○○○円以上で売却できて、その売却代金を受領できる場合に限って、この購入契約は有効とする」といった内容とする特約です。また、同時に住宅ローンを利用させる場合には同様な特約を結び、資金計画の狂いによるリスクを回避されるのが賢明でしょう。
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